【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「沙耶、」
俺たちの額が、合わさる。
交わり合う、運命のように。
(……愛してる)
そう、心の中で呟けば、この気持ちはストンと落ちた。
俺の服を必死に握り、話さない沙耶の小さな手の上に自分の手を重ね、包み込む。
「そ、ま……」
見上げてくる、彼女の瞳には光がなく。
今にも死にそうなくらいの生気の無さに、驚いた。
「………」
弱まる、彼女の光……
それを引き止める術は。
「んっ……!?」
生命の守護聖からの、口付けのみであった。
| 見つけた、愛。 2016.7.23 完。|