【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「さあな。だが、あの女は信じられる。昔、あの女には世話になったんだが…いい女だよ」
水樹がそう言って笑えば、
「生まれ変わりだからって、なんでも似ている訳じゃないんだ。そんな軽率な行動で、また、兄貴が傷つくかもよ?」
兄思いの氷月が、表情に影を落とした。
重い過去。
前世とか関係なく、普通に重い過去。
悪い幼馴染みではないが、少々、救いようのない彼は、それなりの人生を歩んできた。