聴こえる


そのまま机はくっつけたまま、会話も淡々としていて1日を過ごした



放課後はさっさと家に帰ると、冷蔵庫を開けて冷たい麦茶を取り、飲んで気を休める



ふと携帯を手に取り、アドレス帳を眺めた

家族関係以外に初めて登録された名前が、まさかのクラスのマドンナ長谷川奈々とは。





長谷川奈々は凛としていて綺麗だ
長い黒髪が自慢の、美人で気さくな性格、周りに好かれる存在で僕とは正反対な人生を歩んでいることだろう



そんな長谷川奈々がなぜ僕と?
ただクラスに馴染ませるだけだけなら余計なお世話だ


僕は人には関わりたくない



それが例え家族であっても。
















そんな事を考えていると、携帯からメールの着信音が聞こえた


送り主は「長谷川奈々」







件名:こんにちは
本文:早速メールしちゃいました…。長谷川奈々です。よろしくね!










絵文字は一つもなかったが、何故か可愛らしく感じた

それはきっと、相手が女の子だからだろうか?
クラスのマドンナだからだろうか?



他人からメールが来たのは、今日が初めてだった






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