華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「だから、今回は私が力になりたいの。お願い。無理はしないから」


まっすぐ姉様を見つめ、懇願した。

黙って私の話を聞いていた彼女は、目を伏せて再びため息を吐き出す。しかし、その表情は先ほどより険しくはなく、諦めが窺える。

目線を上げた姉様は、困ったように笑うと、私の肩に手を置く。


「まったく……リルーナは意外と頑固よね。芯が通ってて、度胸もあって優しくて……私の自慢の、素敵な妹」


彼女の柔らかな声と微笑みが、私の胸をじんとさせる。こんな私を自慢だと言ってくれるのは、姉様だけだ。

私も微笑み返すと、姉様はもう一度表情を引き締め、凛とした口調でこう告げる。


「三日間よ。それまでに帰ってこなければ、兵を向かわせる。いいわね?」

「姉様……」


私の意志を汲み取ってくれたことに感謝しながら、私も気を引き締める。


「わかった。ありがとう」

「絶対に帰ってくるのよ」


私の両肩を掴んで真剣に言う姉様に、しっかりと頷き、「必ず」と約束した。


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