華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「まさか、かけおち、とか……?」
「想像に任せる」
適当にかわしたセイディーレは、「これだけは他の男にも言っておきたいが」と前置きして、私の腰をぐっと強く抱き寄せる。
そして、男の子に向かってさらりとこんなひとことを口にした。
「俺の女に手を出すなよ」
ドキン!と、大きく心臓が跳ね上がった。
私、いつの間にセイディーレのものになったのよ……とつっこみながらも、こんなふうに独占されたのは初めてで、胸が高鳴るのを抑えられない。
うっすら頬を染めて呆気に取られるふたりをよそに、彼は別荘のほうに向かい始めた。
橋を渡り、庭園の向こうに綺麗なレンガ造りの邸宅が見えてきたところで、まだ寄り添っている彼に小声で問いかける。
「ちょっと、どういうことですか?」
訝しげに見上げていると、彼は前を見たまましれっとこう答えた。
「恋人を装っていたほうが怪しまれないし、俺も守りやすい」
「あ……あぁ、なるほど」
なんだ、そういうことか。
それならそうと言ってくれればいいのに! 変な期待をしちゃったじゃない。
「想像に任せる」
適当にかわしたセイディーレは、「これだけは他の男にも言っておきたいが」と前置きして、私の腰をぐっと強く抱き寄せる。
そして、男の子に向かってさらりとこんなひとことを口にした。
「俺の女に手を出すなよ」
ドキン!と、大きく心臓が跳ね上がった。
私、いつの間にセイディーレのものになったのよ……とつっこみながらも、こんなふうに独占されたのは初めてで、胸が高鳴るのを抑えられない。
うっすら頬を染めて呆気に取られるふたりをよそに、彼は別荘のほうに向かい始めた。
橋を渡り、庭園の向こうに綺麗なレンガ造りの邸宅が見えてきたところで、まだ寄り添っている彼に小声で問いかける。
「ちょっと、どういうことですか?」
訝しげに見上げていると、彼は前を見たまましれっとこう答えた。
「恋人を装っていたほうが怪しまれないし、俺も守りやすい」
「あ……あぁ、なるほど」
なんだ、そういうことか。
それならそうと言ってくれればいいのに! 変な期待をしちゃったじゃない。