華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「今は誰もいない。俺ひとりだ」
淡々と吐き出された言葉には、ずしりとした重みがあるように感じ、私は押し黙った。
“今は誰もいない”ということは、どこか遠い地に暮らしているのだろうか。それとも、もう皆亡くなってしまった……?
どちらにしても、彼の表情に暗い影が落ちているように見える。聞いてはいけないことを聞いてしまったかな。
「あの……ごめんなさい」
肩をすくめて謝ると、セイディーレはこちらを見て、「いや」と軽く首を振った。
なにかを言いたそうにしているようにも見えたけれど、その直後に入り口のドアをギィッとゆっくり開く音が聞こえ、意識はそちらに逸れる。
「セイディーレ様、入ってもよろしいでしょうか……?」
少し開いたドアの隙間から、顔だけ出して遠慮がちに覗き込むのは、先ほど会った男の子と女の子だった。
セイディーレが了承してから、ふたりはそわそわした様子で中に入ってくる。なんだか可愛いツーショットだ。
ふわっとした金髪と甘い顔立ちが優しそうな印象を受ける男の子は、私に向かってにこりと微笑む。
淡々と吐き出された言葉には、ずしりとした重みがあるように感じ、私は押し黙った。
“今は誰もいない”ということは、どこか遠い地に暮らしているのだろうか。それとも、もう皆亡くなってしまった……?
どちらにしても、彼の表情に暗い影が落ちているように見える。聞いてはいけないことを聞いてしまったかな。
「あの……ごめんなさい」
肩をすくめて謝ると、セイディーレはこちらを見て、「いや」と軽く首を振った。
なにかを言いたそうにしているようにも見えたけれど、その直後に入り口のドアをギィッとゆっくり開く音が聞こえ、意識はそちらに逸れる。
「セイディーレ様、入ってもよろしいでしょうか……?」
少し開いたドアの隙間から、顔だけ出して遠慮がちに覗き込むのは、先ほど会った男の子と女の子だった。
セイディーレが了承してから、ふたりはそわそわした様子で中に入ってくる。なんだか可愛いツーショットだ。
ふわっとした金髪と甘い顔立ちが優しそうな印象を受ける男の子は、私に向かってにこりと微笑む。