華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「そんなことないわ、どれもすごく美味しそう!」

「アンジェが作る料理は本当に絶品なんです。僕が保証しますよ」


エトワルくんが得意げに太鼓判を押すと、アンジェさんは少し照れたようにはにかんだ。

やっぱり可愛いふたりに、クスッと笑いがこぼれる。


「ねぇ、皆で一緒に食べましょう? いろいろお話もしたいし」


この料理を私だけで食べるのはもったいなくてそう提案すると、ふたりはキョトンとして目を合わせる。

すぐに意見は合ったようで、「じゃあ、お言葉に甘えて」と、嬉しそうな声が重なった。


私の向かい側にふたりが並んで座り、シードルで乾杯して食事を始める。私は、ひとまずふたりが何歳なのかを聞いた。

エトワルくんは予想通り十四歳で、アンジェさんは私と同じ十七歳だという。


「なんだ、同い年ならお互い気を遣わないでいいじゃない! ……あ、でも貴族の出身だったりします?」


彼女はぱあっと表情を明るくしたものの、遠慮がちに問いかける。

そういえば、私は身分を明かさないほうがいいんだったよね……。王族とは言えないけど、一応貴族だということにしておこうか。

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