華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
一番私に懐いてくれている馬のメーラを連れていくため、城内にある馬小屋に向かうと、そこにはすでに体格の良いセアリエが腕組みをして待ち構えていた。
私に気づいた彼は、整った眉根をギュッと寄せ、お怒りの表情でこちらにずんずん歩み寄ってくる。
「姫! まったく、何を考えておいでですか!」
私よりひと回り以上年の離れたセアリエだけれど、金色の短髪とくっきりとした二重が綺麗で若々しく、そこまでの年の差は感じない。
昔から私の教育係のひとりでもあった彼は、心が許せてとても慕っている人物だ。
だからつい、へらっと笑って茶化してしまう。
「メーラと隣の国までデートしたくなって」
「デートなら私がお相手いたします!」
怒りながら勢い余ってそんなことを叫ぶ彼がおかしくて、私は思わず吹き出した。
真面目で熱血漢で、正義感の強い彼だけど、たまに抜けたことを言うのよね。そこが面白くて、好き。親戚のお兄ちゃん、みたいな感覚かな。
「セアリエとは、デートっていうより社会見学になりそう」
クスクスと笑いながらそう言うと、彼は少し呆れたような調子で、「茶化さないでください」と注意した。
私に気づいた彼は、整った眉根をギュッと寄せ、お怒りの表情でこちらにずんずん歩み寄ってくる。
「姫! まったく、何を考えておいでですか!」
私よりひと回り以上年の離れたセアリエだけれど、金色の短髪とくっきりとした二重が綺麗で若々しく、そこまでの年の差は感じない。
昔から私の教育係のひとりでもあった彼は、心が許せてとても慕っている人物だ。
だからつい、へらっと笑って茶化してしまう。
「メーラと隣の国までデートしたくなって」
「デートなら私がお相手いたします!」
怒りながら勢い余ってそんなことを叫ぶ彼がおかしくて、私は思わず吹き出した。
真面目で熱血漢で、正義感の強い彼だけど、たまに抜けたことを言うのよね。そこが面白くて、好き。親戚のお兄ちゃん、みたいな感覚かな。
「セアリエとは、デートっていうより社会見学になりそう」
クスクスと笑いながらそう言うと、彼は少し呆れたような調子で、「茶化さないでください」と注意した。