華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
ためらいなくボタンも外していく姿に思わず叫びそうになるのを堪え、くるりと身体の向きを変えた。
窓に張りつく勢いで外を眺めながら、とりあえず先ほどの食事のことを話すことにする。
「ア、アンジェとエトワルくん、本当にいい子たちね! 料理もすごく美味しかったし、気さくに話してくれるし、楽しかった」
「それはなにより」
感情があまり込められていないような声を返すセイディーレを、つい窓越しに見てしまったものの、すでに着替えていてほっとした。
振り向けば、黒いパンツはそのままで、前開きの白いシャツを着た姿の彼がいる。
胸元がはだけていて、ものすごくセクシーだ。軍服ではなくても文句なしにカッコよくて、普段とは違う姿を見られたことに、なぜかキュンとしてしまった。
……って、ちょっと私、ときめいている場合じゃないでしょう。今は逃亡中だというのに、なにを浮かれているんだろう。
家族の安否もわからず、私を守るために山賊と戦っている騎士たちもいる中で、のうのうと過ごしている自分に気づくと嫌気がさす。
セイディーレだって、こんな時間まで巡回をしていたというのに。
窓に張りつく勢いで外を眺めながら、とりあえず先ほどの食事のことを話すことにする。
「ア、アンジェとエトワルくん、本当にいい子たちね! 料理もすごく美味しかったし、気さくに話してくれるし、楽しかった」
「それはなにより」
感情があまり込められていないような声を返すセイディーレを、つい窓越しに見てしまったものの、すでに着替えていてほっとした。
振り向けば、黒いパンツはそのままで、前開きの白いシャツを着た姿の彼がいる。
胸元がはだけていて、ものすごくセクシーだ。軍服ではなくても文句なしにカッコよくて、普段とは違う姿を見られたことに、なぜかキュンとしてしまった。
……って、ちょっと私、ときめいている場合じゃないでしょう。今は逃亡中だというのに、なにを浮かれているんだろう。
家族の安否もわからず、私を守るために山賊と戦っている騎士たちもいる中で、のうのうと過ごしている自分に気づくと嫌気がさす。
セイディーレだって、こんな時間まで巡回をしていたというのに。