華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「……ごめんなさい」
突然謝る私を、動きを止めたセイディーレが見つめる。
「逃げている身なのに、楽しいだなんて言って。私だけなにもしないで、守られてるばかりで……ごめんなさい」
自己嫌悪で心が押し潰されそうになり、幾何学模様が美しいカーペットに力なく目線を落とした。
すると、小さく息を吐いたあとに、落ち着いた声が投げかけられる。
「自分を責めることはないと言っただろ」
目線を上げると、セイディーレは脱いだ服を片づけながら淡々と続ける。
「逃亡中で精神的にも辛いときに、楽しいことがひとつもないんじゃ落ちていくばかりだ。それに、お前にぞんざいな扱いをしたら、俺がアドルク陛下に恨まれる」
そんなふうに言うけれど、私を否定せずに“それでいいんだ”と諭してくれているのは明らかで、心が少しラクになっていく。なんだかんだで、彼はいつも味方をしてくれるよね。
感謝をして口元を緩ませると、セイディーレはおもむろにベッドに腰かけ、こんなひとことを放った。
「陛下たち、無事に帰ったそうだぞ」
「えっ……」
突然告げられた朗報を聞いた瞬間、私は目を見開き、彼のもとに駆け寄る。
突然謝る私を、動きを止めたセイディーレが見つめる。
「逃げている身なのに、楽しいだなんて言って。私だけなにもしないで、守られてるばかりで……ごめんなさい」
自己嫌悪で心が押し潰されそうになり、幾何学模様が美しいカーペットに力なく目線を落とした。
すると、小さく息を吐いたあとに、落ち着いた声が投げかけられる。
「自分を責めることはないと言っただろ」
目線を上げると、セイディーレは脱いだ服を片づけながら淡々と続ける。
「逃亡中で精神的にも辛いときに、楽しいことがひとつもないんじゃ落ちていくばかりだ。それに、お前にぞんざいな扱いをしたら、俺がアドルク陛下に恨まれる」
そんなふうに言うけれど、私を否定せずに“それでいいんだ”と諭してくれているのは明らかで、心が少しラクになっていく。なんだかんだで、彼はいつも味方をしてくれるよね。
感謝をして口元を緩ませると、セイディーレはおもむろにベッドに腰かけ、こんなひとことを放った。
「陛下たち、無事に帰ったそうだぞ」
「えっ……」
突然告げられた朗報を聞いた瞬間、私は目を見開き、彼のもとに駆け寄る。