華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「んなっ……ア、アホなこと言ってないでさっさと行ってきな!!」
怒ったような口調で叫ぶ彼女に、エトワルくんはクスクス笑いながら、「冗談だよ。行ってきまーす」と言ってドアを開けた。
天使のような彼が、一瞬小悪魔みたいに見えたわ。それも可愛いんだけど。
アンジェは赤面したままなにかぶつぶつと呟き、私はぽかんとして彼を見送っていると、ドアが閉まる直前、邸宅の前の道にひとりの女の子がいることに気づく。
「あ、エトワル! 朝から会えるなんてラッキーだわ~」
彼女の嬉しそうな高い声が聞こえてきたところで、バタンとドアが閉まった。
今の感じからすると、エトワルくんに好意を持っている子だろうか。まぁ、容姿も整っていて性格もいい彼だもの、好きになる女子は当然いるわよね。
ひとり納得する私は、伸びをしながら言う。
「さて、私も着替えよ……アンジェ?」
ホールをあとにしようとしたものの、アンジェはドアの前から動かない。首をかしげてもう一度呼びかけると、彼女ははっとしてこちらを振り向く。
「あ、ごめん! えーと、着替えるんだよね。こっち来て」
アンジェはそそくさと動き出し、階段のほうへと向かう。
どうしたんだろう、となんだか引っかかるものを感じつつも、彼女のあとに続いた。
怒ったような口調で叫ぶ彼女に、エトワルくんはクスクス笑いながら、「冗談だよ。行ってきまーす」と言ってドアを開けた。
天使のような彼が、一瞬小悪魔みたいに見えたわ。それも可愛いんだけど。
アンジェは赤面したままなにかぶつぶつと呟き、私はぽかんとして彼を見送っていると、ドアが閉まる直前、邸宅の前の道にひとりの女の子がいることに気づく。
「あ、エトワル! 朝から会えるなんてラッキーだわ~」
彼女の嬉しそうな高い声が聞こえてきたところで、バタンとドアが閉まった。
今の感じからすると、エトワルくんに好意を持っている子だろうか。まぁ、容姿も整っていて性格もいい彼だもの、好きになる女子は当然いるわよね。
ひとり納得する私は、伸びをしながら言う。
「さて、私も着替えよ……アンジェ?」
ホールをあとにしようとしたものの、アンジェはドアの前から動かない。首をかしげてもう一度呼びかけると、彼女ははっとしてこちらを振り向く。
「あ、ごめん! えーと、着替えるんだよね。こっち来て」
アンジェはそそくさと動き出し、階段のほうへと向かう。
どうしたんだろう、となんだか引っかかるものを感じつつも、彼女のあとに続いた。