華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
二階に上がり、ゲストルームと同じくらいの広さの更衣室に入ると、アンジェは木製の大きなチェストの蓋を開ける。
「この中にあるの、どれでも着ていいって。どれにしよっか」
「すごい! 素敵ね」
中には、カラフルで小奇麗なドレスが数種類収納されていた。
ふたりで取り出して広げてみながら、ふと思う。このドレスは、一体誰のものなのだろうか、と。
私のために用意されたものではないことは明らかだし、となると、ここで誰かが生活していた……とか?
セイディーレと一緒に暮らしていた女性がいたかもしれない。そう考えると、肺に空気がなくなっていくみたいに苦しくなり、無意識にぎゅっとドレスを握りしめていた。
「アンジェ、このドレスって……」
「あぁ、セイディーレ様のお母様が若い頃に着てたものらしいの。まだ他にもあるのよ」
問いかけようとしたらそんな答えが返ってきて、私は拍子抜けしてしまう。
なんだ、お母様のものだったのか。よかった……。
「この中にあるの、どれでも着ていいって。どれにしよっか」
「すごい! 素敵ね」
中には、カラフルで小奇麗なドレスが数種類収納されていた。
ふたりで取り出して広げてみながら、ふと思う。このドレスは、一体誰のものなのだろうか、と。
私のために用意されたものではないことは明らかだし、となると、ここで誰かが生活していた……とか?
セイディーレと一緒に暮らしていた女性がいたかもしれない。そう考えると、肺に空気がなくなっていくみたいに苦しくなり、無意識にぎゅっとドレスを握りしめていた。
「アンジェ、このドレスって……」
「あぁ、セイディーレ様のお母様が若い頃に着てたものらしいの。まだ他にもあるのよ」
問いかけようとしたらそんな答えが返ってきて、私は拍子抜けしてしまう。
なんだ、お母様のものだったのか。よかった……。