華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
帽子を被り、ゆったりしたシャツにベストを身につけたその人は、おそらく三十代だろう。彫が深い顔は一瞬怖そうに見えたけれど、私たちに向かってにこりと微笑んだ。
「今日は女の子ふたりで畑仕事か。精が出るね」
気さくに話しかけてくる彼に、アンジェは「どうもー」と明るく答え、私も笑顔で会釈した。
あの感じだと山賊ではないよね……。さすがにこんなにすぐ居場所がバレることはないだろうけど、やっぱり神経質になってしまう。
一応聞いておこうと思い、すでに去っていった男性のほうからアンジェへと視線を移す。
「今の人、知り合い?」
「んー顔見知りかな。たまに会うから、このへんに住んでるんだと思うよ」
「そっか」
それなら安心。とホッとして、再び収穫に取り組む。
アンジェはある程度玉ねぎを抜くと、一度立ち上がって大きく伸びをした。私も一旦手を休めて、なんとなく周りを見回す。
「エトワルくんが手伝ってくれるとしても、この広さの菜園を管理するのは大変よね」
私は慣れないから余計なのだろうけど、少し動いただけでも結構疲れる。アンジェたちは毎日この仕事をしているんだもんね。
「今日は女の子ふたりで畑仕事か。精が出るね」
気さくに話しかけてくる彼に、アンジェは「どうもー」と明るく答え、私も笑顔で会釈した。
あの感じだと山賊ではないよね……。さすがにこんなにすぐ居場所がバレることはないだろうけど、やっぱり神経質になってしまう。
一応聞いておこうと思い、すでに去っていった男性のほうからアンジェへと視線を移す。
「今の人、知り合い?」
「んー顔見知りかな。たまに会うから、このへんに住んでるんだと思うよ」
「そっか」
それなら安心。とホッとして、再び収穫に取り組む。
アンジェはある程度玉ねぎを抜くと、一度立ち上がって大きく伸びをした。私も一旦手を休めて、なんとなく周りを見回す。
「エトワルくんが手伝ってくれるとしても、この広さの菜園を管理するのは大変よね」
私は慣れないから余計なのだろうけど、少し動いただけでも結構疲れる。アンジェたちは毎日この仕事をしているんだもんね。