華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
溢れてくるもので声を詰まらせながら想いを吐き出していた、そのとき。唇に柔らかく温かいものが押し当てられた。
伏せた長いまつ毛、肌で感じる息遣い、初めての甘い感覚に、意識が飛びそうになる。
……キ、ス、してる……? 私、セイディーレと……!
まさかキスで唇を塞がれるとは思わず、ただただ放心状態に陥る。一瞬で涙も引っ込んでしまった。
唇が離され、まだ前髪が絡み合うくらい近くで、セイディーレが呟く。
「頼むから黙ってくれ」
懇願するような声に普段の威圧感はなく、セクシーな困り顔で独り言のように続ける。
「抑えられなくなるだろうが……これまで、ずっと押し殺してきたのに」
押し殺してきた? ということはまさか、彼も同じ気持ちだったということ?
と安易に考えてしまうのは、私の自惚れだろうか。
目をこれでもかと見開き、口から出そうなほど暴れる心臓を抑えながら、彼を見つめる。
「セイディーレ……もしかして」
「黙れ」
確認しようとしたものの、少々横暴なひとこととは裏腹な甘い口封じを、再びお見舞いされてしまった。
伏せた長いまつ毛、肌で感じる息遣い、初めての甘い感覚に、意識が飛びそうになる。
……キ、ス、してる……? 私、セイディーレと……!
まさかキスで唇を塞がれるとは思わず、ただただ放心状態に陥る。一瞬で涙も引っ込んでしまった。
唇が離され、まだ前髪が絡み合うくらい近くで、セイディーレが呟く。
「頼むから黙ってくれ」
懇願するような声に普段の威圧感はなく、セクシーな困り顔で独り言のように続ける。
「抑えられなくなるだろうが……これまで、ずっと押し殺してきたのに」
押し殺してきた? ということはまさか、彼も同じ気持ちだったということ?
と安易に考えてしまうのは、私の自惚れだろうか。
目をこれでもかと見開き、口から出そうなほど暴れる心臓を抑えながら、彼を見つめる。
「セイディーレ……もしかして」
「黙れ」
確認しようとしたものの、少々横暴なひとこととは裏腹な甘い口封じを、再びお見舞いされてしまった。