華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「ううん、全然アンジェのせいじゃないから!」
「セイディーレ様もそう言ってくれたけど、やっぱり申し訳なくて……」
俯くアンジェは眉を八の字にしていたものの、ぱっと顔を上げると今度は怒りだす。
「だって、腐った野菜ジュース持ってきたんでしょう!? ほんと最低! 飲む前にセイディーレ様が来てくれてよかったよ」
「……あ、そういうことになってるんだ」
彼女の言葉に拍子抜けして、私は苦笑を漏らした。
なるほど、セイディーレはあの中身が媚薬で、私がそれを飲んでしまったということは内緒にしておいてくれているのか。
本当のことを言ったら、必要以上に心配をかけるだろうし、責任を感じてしまうかもしれないもんね。
納得して、アンジェに笑顔を向ける。
「私のことは本当に気にしないで。それより、アンジェのお母さんは……?」
真剣な顔に戻ってもう一度尋ねると、彼女は少し眉を下げて笑う。
「風邪をこじらせちゃったみたい。でも、もう山は越えたからひとまず大丈夫だろうって」
「そっか……よかった」
大事に至らなかったことがわかり、私は安堵のため息を漏らした。彼女のたったひとりの家族だもの、どうか長生きしてほしい。
「セイディーレ様もそう言ってくれたけど、やっぱり申し訳なくて……」
俯くアンジェは眉を八の字にしていたものの、ぱっと顔を上げると今度は怒りだす。
「だって、腐った野菜ジュース持ってきたんでしょう!? ほんと最低! 飲む前にセイディーレ様が来てくれてよかったよ」
「……あ、そういうことになってるんだ」
彼女の言葉に拍子抜けして、私は苦笑を漏らした。
なるほど、セイディーレはあの中身が媚薬で、私がそれを飲んでしまったということは内緒にしておいてくれているのか。
本当のことを言ったら、必要以上に心配をかけるだろうし、責任を感じてしまうかもしれないもんね。
納得して、アンジェに笑顔を向ける。
「私のことは本当に気にしないで。それより、アンジェのお母さんは……?」
真剣な顔に戻ってもう一度尋ねると、彼女は少し眉を下げて笑う。
「風邪をこじらせちゃったみたい。でも、もう山は越えたからひとまず大丈夫だろうって」
「そっか……よかった」
大事に至らなかったことがわかり、私は安堵のため息を漏らした。彼女のたったひとりの家族だもの、どうか長生きしてほしい。