華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「私はクラマイン国とノルカーム陛下に忠義を尽くす身。国にとっても大切な姫をお守りするのは当然のことです」
毅然と答えるセイディーレは「それに」と続け、まっすぐセアリエの目を見据えた。
「私自身も、リルーナ姫をなによりも大切に思っていると、断言しておきます」
……そのひとことで、強張っていた心が柔らかくほぐれていく。
白か黒か、真実はなんなのかわからないし、今の彼の発言もその場しのぎのものかもしれない。それでも、はっきりしていることがひとつだけあると気づいた。
「セアリエ」
私の呼ぶ声に反応してこちらに顔を向けた彼に、穏やかな笑みを見せる。
「心配してくれてありがとう。でも、誰になにを言われても、私は閣下を心から信頼しているわ」
そう、これだけは確かだ。
セイディーレのことが好きで、彼を信じたいという自分の気持ちだけは。
「十二年前、本当に彼が私を襲おうとしていたのだとしても。私は、今一緒にいる閣下のことを信じたい」
毅然と答えるセイディーレは「それに」と続け、まっすぐセアリエの目を見据えた。
「私自身も、リルーナ姫をなによりも大切に思っていると、断言しておきます」
……そのひとことで、強張っていた心が柔らかくほぐれていく。
白か黒か、真実はなんなのかわからないし、今の彼の発言もその場しのぎのものかもしれない。それでも、はっきりしていることがひとつだけあると気づいた。
「セアリエ」
私の呼ぶ声に反応してこちらに顔を向けた彼に、穏やかな笑みを見せる。
「心配してくれてありがとう。でも、誰になにを言われても、私は閣下を心から信頼しているわ」
そう、これだけは確かだ。
セイディーレのことが好きで、彼を信じたいという自分の気持ちだけは。
「十二年前、本当に彼が私を襲おうとしていたのだとしても。私は、今一緒にいる閣下のことを信じたい」