華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「リルーナ、このあと大事な話がある」
「……わかったわ」
なんなのかまったく予想がつかないけれど、とりあえず頷いておいた。
しばらくして廊下のほうがざわつき始め、クラマインを統治するエングレンス家の王族たちが到着したらしいことがわかった。
まずノルカーム陛下とアリーデル殿下が広間に入り、私たちに挨拶をする。彼らのあとから、見たことのない人物が姿を現す。
ダークブラウンの髪は少し長めだけれど、整った顔立ちがどことなく愛しい人に似ているような気がして、ドキリとした。
しかし、深い青色の瞳はセイディーレよりも丸みを帯びており、えくぼができる頬もよく見ると違う。
もしかして、この人がフレイヴ王太子……?
いよいよご対面か、と緊張しながら見つめていると、彼は私に向かってにこりと微笑み、頭を下げた。
「お初にお目にかかります。クラマイン王国の第二王子、ジルスター・エングレンスと申します」
「あ……王女のリルーナ・フェルベートでございます」
……あら、違った。
というか、クラマインには第二王子がいたの? そんな話は聞いたことがないような。
「……わかったわ」
なんなのかまったく予想がつかないけれど、とりあえず頷いておいた。
しばらくして廊下のほうがざわつき始め、クラマインを統治するエングレンス家の王族たちが到着したらしいことがわかった。
まずノルカーム陛下とアリーデル殿下が広間に入り、私たちに挨拶をする。彼らのあとから、見たことのない人物が姿を現す。
ダークブラウンの髪は少し長めだけれど、整った顔立ちがどことなく愛しい人に似ているような気がして、ドキリとした。
しかし、深い青色の瞳はセイディーレよりも丸みを帯びており、えくぼができる頬もよく見ると違う。
もしかして、この人がフレイヴ王太子……?
いよいよご対面か、と緊張しながら見つめていると、彼は私に向かってにこりと微笑み、頭を下げた。
「お初にお目にかかります。クラマイン王国の第二王子、ジルスター・エングレンスと申します」
「あ……王女のリルーナ・フェルベートでございます」
……あら、違った。
というか、クラマインには第二王子がいたの? そんな話は聞いたことがないような。