華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「……ずっと、お会いしたかった」
ふいに開いた形の良い唇から、切なげな声が紡がれた瞬間、はっきりとわかった。
間違いない、この人はセイディーレだ。恋い焦がれていた彼が、今目の前にいる。
確信した途端、たちまち熱いものが瞳に込み上げ、視界がぼやけていく。涙が溢れるのを必死に堪えていると、誰かにそっと肩を抱かれた。
隣を見やれば、お父様が優しく微笑んで私を見下ろしている。
「リルーナ、長いこと黙っていて悪かった。すべてを話すから、こちらへ来なさい」
広間に置かれた長いテーブルのほうへと促され、私はこくりと頷いた。
一体なにがどうなっているのか、納得しないと喜べない。
セイディーレが王子で私の婚約者だなんて、そんな夢みたいなこと、簡単に信じられるわけがないもの。
すべてを明らかにして、大好きな彼と幸せになりたい──。
ふいに開いた形の良い唇から、切なげな声が紡がれた瞬間、はっきりとわかった。
間違いない、この人はセイディーレだ。恋い焦がれていた彼が、今目の前にいる。
確信した途端、たちまち熱いものが瞳に込み上げ、視界がぼやけていく。涙が溢れるのを必死に堪えていると、誰かにそっと肩を抱かれた。
隣を見やれば、お父様が優しく微笑んで私を見下ろしている。
「リルーナ、長いこと黙っていて悪かった。すべてを話すから、こちらへ来なさい」
広間に置かれた長いテーブルのほうへと促され、私はこくりと頷いた。
一体なにがどうなっているのか、納得しないと喜べない。
セイディーレが王子で私の婚約者だなんて、そんな夢みたいなこと、簡単に信じられるわけがないもの。
すべてを明らかにして、大好きな彼と幸せになりたい──。