華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
別荘近くの橋の上から夕日を眺める、美しい横顔を見ているうちに勝手な想いが膨らみ、俺は自分でも驚くべきことを口にしていた。
『今から、お前は俺の恋人だ』
という、貴婦人を崇拝する騎士道精神から明らかに外れている横暴なセリフを。
当然、リルーナを守りたい想いでそう言ったのだが、本来ならこうなるはずだった彼女との甘い関係を一時だけでも味わってみたかった、という願望があったことも否めない。
それでももちろん、ただの恋人ごっこで終わらせるはずだった。
俺が悪魔ではないかという疑いをかけられることも覚悟していたし、そうなったらリルーナは離れていくだろうとも思っていた。
それなのに……彼女も俺自身も、抑えがきかないくらい愛しさが大きくなってしまうとは。
己の欲とリルーナの強い想いに負け、唇を重ね、身体を重ねてしまった。
騎士失格だとわかっていながら、彼女の逃亡生活が終わりに近づいていることを悟ったあの日、最初で最後の甘い行為に溺れた。
再会したことも、お互いの想いが通じ合えたのも奇跡。十分すぎるほどの幸せをもらった。
リルーナをきちんと送り出したら、冷徹な指揮官に戻ろう。
愛し合ってしまった分、離れるのは想像以上に辛いものだったが、そうやってなんとか想いを振り切り、彼女と二度目の別れに踏みきったのだった。
『今から、お前は俺の恋人だ』
という、貴婦人を崇拝する騎士道精神から明らかに外れている横暴なセリフを。
当然、リルーナを守りたい想いでそう言ったのだが、本来ならこうなるはずだった彼女との甘い関係を一時だけでも味わってみたかった、という願望があったことも否めない。
それでももちろん、ただの恋人ごっこで終わらせるはずだった。
俺が悪魔ではないかという疑いをかけられることも覚悟していたし、そうなったらリルーナは離れていくだろうとも思っていた。
それなのに……彼女も俺自身も、抑えがきかないくらい愛しさが大きくなってしまうとは。
己の欲とリルーナの強い想いに負け、唇を重ね、身体を重ねてしまった。
騎士失格だとわかっていながら、彼女の逃亡生活が終わりに近づいていることを悟ったあの日、最初で最後の甘い行為に溺れた。
再会したことも、お互いの想いが通じ合えたのも奇跡。十分すぎるほどの幸せをもらった。
リルーナをきちんと送り出したら、冷徹な指揮官に戻ろう。
愛し合ってしまった分、離れるのは想像以上に辛いものだったが、そうやってなんとか想いを振り切り、彼女と二度目の別れに踏みきったのだった。