華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
胸に抱えていたそんな不安は、約一年ぶりに彼女の姿を目にした瞬間に吹き飛んだ。

きらびやかなドレスに身を包み、編み込んだ髪をアップにした彼女は、またさらに美しくなっていて。

幽霊でも見ているかのように俺を凝視する表情すらも愛しく、すぐにでも抱きしめたくなる。

なんとかその衝動を堪え、王太子としての振る舞いをしつつも、手を伸ばせばすぐに触れられる距離にまで来ると、自然と本音が口からこぼれた。


「……ずっと、お会いしたかった」


その瞬間、リルーナの瞳にみるみる涙が湧き上がるのを見て、あぁ、きっと気持ちはあの頃のままなんだろうと思えた。

これから彼女は真実を知ることになる。どうか、すべてを受け止めてほしい。

そして今度こそ、お前をこの手で幸せにさせてくれ。




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