華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
それでもまだフレイヴは抱きしめるのをやめないので、仕方なくじっとしていると、姉様がジルスター殿下にこう投げかける。
「私、あなたがフレイヴ王子なんだってずっと思ってた。うまく騙してたわよねぇ」
じろり、と再び姉様に目を向けられたお父様は、苦笑いするしかない、といった感じだ。
確かに、姉様はジスルター殿下に会ったことがあるんだものね。そのとき、きっと彼はフレイヴと名乗っていたのだろうから、間違えて覚えていて当然だ。
いろいろとうまく切り抜けてきたんだなぁと感心してしまう。ジルスター殿下は、「やるなら完璧にやらないと」と言い、したり顔をしていた。
そのやり取りを見て笑うノルカーム陛下は、こんなことを言う。
「二国間協議の日、フレイヴとリルーナ姫が顔を合わせるのはいい機会だった。せっかくなら近づけてやりたいなぁ、という親心でフレイヴに案内をさせたんだが、いいアシストだっただろう」
「あなたが言わなかったら私が、って思ってたわよ」
アリーデル殿下も一緒になってあっはっはと笑い、なんだか和やかな雰囲気になっている。
あのとき、まさかそんな思惑があってフレイヴを案内役にしたとは。
「私、あなたがフレイヴ王子なんだってずっと思ってた。うまく騙してたわよねぇ」
じろり、と再び姉様に目を向けられたお父様は、苦笑いするしかない、といった感じだ。
確かに、姉様はジスルター殿下に会ったことがあるんだものね。そのとき、きっと彼はフレイヴと名乗っていたのだろうから、間違えて覚えていて当然だ。
いろいろとうまく切り抜けてきたんだなぁと感心してしまう。ジルスター殿下は、「やるなら完璧にやらないと」と言い、したり顔をしていた。
そのやり取りを見て笑うノルカーム陛下は、こんなことを言う。
「二国間協議の日、フレイヴとリルーナ姫が顔を合わせるのはいい機会だった。せっかくなら近づけてやりたいなぁ、という親心でフレイヴに案内をさせたんだが、いいアシストだっただろう」
「あなたが言わなかったら私が、って思ってたわよ」
アリーデル殿下も一緒になってあっはっはと笑い、なんだか和やかな雰囲気になっている。
あのとき、まさかそんな思惑があってフレイヴを案内役にしたとは。