華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
据わった目になるフレイヴは、「親心というよりお節介だ」とぼそっと呟き、脱力したようにようやく私から身体を離した。
すると、おもむろに立ち上がったお父様が、真剣な面持ちで私たちに向き直る。
「今日までずっと君たちを苦悩させてしまって、本当に申し訳なかった。そんなに愛し合っているなら、婚約式まで待たずに打ち明けていてもよかったかもしれないな」
冷やかすように含み笑いされると、前から私もフレイヴのことを好きだったことがバレてしまったみたいで、さらに恥ずかしい……。
いつにも増して優しげな彼は、肩をすくめる私に笑いかける。
「ふたりが幸せになれることを心から願っているよ。フレイヴ殿下、これまで本当にありがとう。これからもリルーナをよろしく」
改まって言うお父様に、フレイヴも背筋を伸ばし、深く頭を下げた。
私もゆくゆくはクラマイン王国の王妃になるのだから、浮かれてはいられない。気を引き締めてお嫁に行かなきゃね。
そして、素敵な家庭と、国を築いていくんだ。
これまで私たちを見守ってくれていた人たちにたくさんの感謝をしながら、私は今日という日を迎えられた喜びを噛みしめていた。
すると、おもむろに立ち上がったお父様が、真剣な面持ちで私たちに向き直る。
「今日までずっと君たちを苦悩させてしまって、本当に申し訳なかった。そんなに愛し合っているなら、婚約式まで待たずに打ち明けていてもよかったかもしれないな」
冷やかすように含み笑いされると、前から私もフレイヴのことを好きだったことがバレてしまったみたいで、さらに恥ずかしい……。
いつにも増して優しげな彼は、肩をすくめる私に笑いかける。
「ふたりが幸せになれることを心から願っているよ。フレイヴ殿下、これまで本当にありがとう。これからもリルーナをよろしく」
改まって言うお父様に、フレイヴも背筋を伸ばし、深く頭を下げた。
私もゆくゆくはクラマイン王国の王妃になるのだから、浮かれてはいられない。気を引き締めてお嫁に行かなきゃね。
そして、素敵な家庭と、国を築いていくんだ。
これまで私たちを見守ってくれていた人たちにたくさんの感謝をしながら、私は今日という日を迎えられた喜びを噛みしめていた。