華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
微笑ましく眺めていると、マジーさんは満足げな表情で言う。
「それに、昔から知っとるふたりがようやく結ばれたんだ。最高の祝い酒を飲まずにいられるか」
そう、彼は初めて顔を合わせる前から私のことを知っていたのよね。
マジーさんは、忘却の薬でフレイヴの記憶まで消すことに対して、最初は反対したと聞いている。それでも、彼の意志の強さに折れたのだとか。
そして、“セイディーレは悪魔の血を受け継いでいる”と、話をでっち上げることに渋々協力していたのだそう。
彼がどんな気持ちで薬を作ったのかはわからないけれど、優しい彼のことだから、私たちのことはずっと心配していたんじゃないだろうか。
そんなふうに考えると、今こうして祝福してもらえることはより感慨深く、とてもありがたくて。きっと同じだろうフレイヴも、穏やかな顔をしていた。
すると、マジーさんは急に眉を下げて私を見つめる。
「もう十三年前になるのか。あんたの記憶を消させちまって、悪かったな」
「そんな、謝らないでください! 私、少し思い出せたんです。フレイヴが守ってくれたときのこと」
「それに、昔から知っとるふたりがようやく結ばれたんだ。最高の祝い酒を飲まずにいられるか」
そう、彼は初めて顔を合わせる前から私のことを知っていたのよね。
マジーさんは、忘却の薬でフレイヴの記憶まで消すことに対して、最初は反対したと聞いている。それでも、彼の意志の強さに折れたのだとか。
そして、“セイディーレは悪魔の血を受け継いでいる”と、話をでっち上げることに渋々協力していたのだそう。
彼がどんな気持ちで薬を作ったのかはわからないけれど、優しい彼のことだから、私たちのことはずっと心配していたんじゃないだろうか。
そんなふうに考えると、今こうして祝福してもらえることはより感慨深く、とてもありがたくて。きっと同じだろうフレイヴも、穏やかな顔をしていた。
すると、マジーさんは急に眉を下げて私を見つめる。
「もう十三年前になるのか。あんたの記憶を消させちまって、悪かったな」
「そんな、謝らないでください! 私、少し思い出せたんです。フレイヴが守ってくれたときのこと」