華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「セアリエもよくやるわよねぇ……」
「手合せするたびに俺がリルーナとデートできることになるから、別に構わないが」
涼しげな顔でそんなふうに言うけど、ちょっとセアリエに対する嫌味だよ、それ。
心の中でつっこんでくすくすと笑う私は、思わぬ方向へ進んでいることにふと気づく。フレイヴは更衣室で着替えると思っていたのに、なぜか中庭のほうに向かっているのだ。
「どこ行くの?」
隣を見上げて問いかけると、わずかに彼の口角が上がる。
「このままデートに連れてってやりたいが、このあとまだ仕事があるからな。ここで休憩」
そう言う彼が連れてきたのは、やはり中庭。地面に白い花と緑が広がるそこにはいくつかベンチがあり、中央には小さな噴水が虹を作っている。
黄昏が迫るこの時間は誰もおらず、水が流れる音と小鳥のさえずりがよく聞こえて、とても心地よい。
フレイヴは、時間があるときは私をいろいろなところへ連れていってくれる。街でウインドウショッピングとか、海を見に行ったりとか。
ハーメイデンではできないことをしてくれて嬉しいけれど、たまにはこうやってのんびり過ごすのも悪くない。
というか、フレイヴとふたりならどこにいても楽しい。
「手合せするたびに俺がリルーナとデートできることになるから、別に構わないが」
涼しげな顔でそんなふうに言うけど、ちょっとセアリエに対する嫌味だよ、それ。
心の中でつっこんでくすくすと笑う私は、思わぬ方向へ進んでいることにふと気づく。フレイヴは更衣室で着替えると思っていたのに、なぜか中庭のほうに向かっているのだ。
「どこ行くの?」
隣を見上げて問いかけると、わずかに彼の口角が上がる。
「このままデートに連れてってやりたいが、このあとまだ仕事があるからな。ここで休憩」
そう言う彼が連れてきたのは、やはり中庭。地面に白い花と緑が広がるそこにはいくつかベンチがあり、中央には小さな噴水が虹を作っている。
黄昏が迫るこの時間は誰もおらず、水が流れる音と小鳥のさえずりがよく聞こえて、とても心地よい。
フレイヴは、時間があるときは私をいろいろなところへ連れていってくれる。街でウインドウショッピングとか、海を見に行ったりとか。
ハーメイデンではできないことをしてくれて嬉しいけれど、たまにはこうやってのんびり過ごすのも悪くない。
というか、フレイヴとふたりならどこにいても楽しい。