華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
自惚れかもしれないけれど、彼の表情や声がそれを物語っているような気がして、胸がぎゅっと掴まれたみたいに苦しくなった。
もし私の考えが当たっているなら、とてもやりきれない。
初めてセアリエの心の内側に触れ、驚きや戸惑いや、様々な感情が押し寄せてくる。
しかし彼は、私の頬から手を離すと同時に、いつも通りの騎士団長の顔に戻っていく。
「ご結婚されて、城を出るまでは私が必ずお守りいたします」
精悍な顔つきになる彼は、なにかを振り切ったようにしっかりとした口調で続ける。
「ですが、姫様も十分お気をつけください。いつまた悪魔に狙われるかもわかりません。クラマインには、悪魔と深い関わりがある者もいると聞きますから」
「え……」
“悪魔と深い関わりがある者”と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、やはり黒い姿にエメラルドグリーンの瞳の彼。セアリエのことでいっぱいだった脳内に、彼の姿が割り込んでくる。
まさか、セイディーレのことじゃないよね?
再び疑惑が浮かび、考え込みそうになってしまっていると、塀から離れたセアリエが私をまっすぐ見つめて告げる。
もし私の考えが当たっているなら、とてもやりきれない。
初めてセアリエの心の内側に触れ、驚きや戸惑いや、様々な感情が押し寄せてくる。
しかし彼は、私の頬から手を離すと同時に、いつも通りの騎士団長の顔に戻っていく。
「ご結婚されて、城を出るまでは私が必ずお守りいたします」
精悍な顔つきになる彼は、なにかを振り切ったようにしっかりとした口調で続ける。
「ですが、姫様も十分お気をつけください。いつまた悪魔に狙われるかもわかりません。クラマインには、悪魔と深い関わりがある者もいると聞きますから」
「え……」
“悪魔と深い関わりがある者”と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、やはり黒い姿にエメラルドグリーンの瞳の彼。セアリエのことでいっぱいだった脳内に、彼の姿が割り込んでくる。
まさか、セイディーレのことじゃないよね?
再び疑惑が浮かび、考え込みそうになってしまっていると、塀から離れたセアリエが私をまっすぐ見つめて告げる。