華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
すでに見えている城へ向かう間、私は窓に張りついて目を輝かせていた。
「わ~、素敵なお店がたくさん! この通り歩いてみたい」
「デートするにはもってこいね」
感嘆の声を上げる私に、姉様はクスクスと笑って言った。
デートかぁ……。確かに、この街を好きな人とふたりで歩いたら、きっと楽しいに違いない。
そのときに、隣にいるのはフレイヴ王太子なのかな。デートを楽しめるような関係になれたらいいのだけど。
ネガティブなことばかり考えていちゃいけないよね。どうせなら明るい未来を期待しよう。
そう思い直し、まだ見たこともない王太子様との楽しいデートを、しばらく妄想することにした。
次第に商店がなくなって道は細くなり、跳ね橋を渡ると城門を潜った。城の造りはハーメイデンと似たような感じだけれど、建築デザインがとても凝っている印象を受ける。
手入れが行き届いている広い中庭で馬車を降りると、お父様やお義兄様、護衛のセアリエたち騎士数人と一緒に、城の中へ足を踏み入れた。
ピカピカに磨き上げられた床と、大きなシャンデリアが輝く豪華な広間を見回しながら、あの人のことを思い出す。
ここに、セイディーレが住んでいるのね……。彼は今どこにいるのだろうか。
「わ~、素敵なお店がたくさん! この通り歩いてみたい」
「デートするにはもってこいね」
感嘆の声を上げる私に、姉様はクスクスと笑って言った。
デートかぁ……。確かに、この街を好きな人とふたりで歩いたら、きっと楽しいに違いない。
そのときに、隣にいるのはフレイヴ王太子なのかな。デートを楽しめるような関係になれたらいいのだけど。
ネガティブなことばかり考えていちゃいけないよね。どうせなら明るい未来を期待しよう。
そう思い直し、まだ見たこともない王太子様との楽しいデートを、しばらく妄想することにした。
次第に商店がなくなって道は細くなり、跳ね橋を渡ると城門を潜った。城の造りはハーメイデンと似たような感じだけれど、建築デザインがとても凝っている印象を受ける。
手入れが行き届いている広い中庭で馬車を降りると、お父様やお義兄様、護衛のセアリエたち騎士数人と一緒に、城の中へ足を踏み入れた。
ピカピカに磨き上げられた床と、大きなシャンデリアが輝く豪華な広間を見回しながら、あの人のことを思い出す。
ここに、セイディーレが住んでいるのね……。彼は今どこにいるのだろうか。