【短】屋根裏の王子様
「お願いしますっ……! ここの外観が気に入りました」
……なんだ、あの子。
「すみません。さっき、最後の部屋が埋まっちゃいまして」
あぁ、入居希望者か。
「どんなに狭い部屋でも、わたし、全然平気です」
「そういわれましてもねぇ」
「……そう、ですか」
珍しく困り顔の管理人と、肩を落とす少女が視界に入った。
「どこか私の知り合いの管理するマンション、紹介しましょうか? ここよりは若干割高になりますが」
「それは……ちょっと厳しいです。無理いって、すみませんでした! 失礼します」