【短】屋根裏の王子様
「……さっきの子の連絡先、わかる?」
「は?」
「呼び戻してよ。僕の部屋、貸してあげて」
「光の部屋を? お前、出てくのか?」
「まさか」
僕は、あることを思いついた。
とても、いいことを。
「知ってるでしょ、僕が屋根裏スペースしか使ってないの」
「それは……まぁ、そうだけど」
「なら、決まりだね」
あの子を、僕のそばに置いちゃえばいいんだって。
「……正気か?」
「あんたなら、『たった今キャンセルが出たから今なら住める』とか上手いこといって納得させられるでしょ?」
「人を悪人みたいに言うな。面倒起こすなよ?」
「トラブったら、即刻僕がでてく。それでいい?」
「でもなぁ……」
「だったら家賃、倍払ってあげる。これなら文句ないよね?」
「りょーかい。ほんと自由なぼっちゃんだな、お前は」
「頼んだよ、管理人さん」