【短】屋根裏の王子様
__苦労してそうな、顔してた。
でも、とても綺麗な目をしていた。
1回生かな。
きっと、なにも知らないんだろうな。
世間のこと。
それから__男のことも。
僕は、そんな君を
そばで……見守りたくなった。
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「あっ、ヒカルさん。ちょうど今、呼ぼうと思ってました」
いい香りが漂ってきて自然と目が冷め、屋根裏から君の部屋を覗くと、君はエプロン姿でキッチンに立っていた。
それも、鼻歌なんてうたって、楽しそうにしている。
普通、ここは、僕を怖がるところだと思うんだけど。
いくらなりゆきとはいえ、僕ら赤の他人だよ?
なんでそんなに、可愛らしい笑顔で……君は僕を受け入れるんだろうね。
「泉ちゃん……なにやってるの?」
「ルームシェア記念に、ちょっと張り切ってみました」
「へぇ。そう」
なぜ記念なのかよくわからないけれど、一生懸命な君に、頬が緩まずにはいられない。