【短】屋根裏の王子様
「やっぱり、ご飯は誰かと食べるのが美味しいですよね。お母さん、さっそく寂しがってないかな」
「……実家にはお母さんだけ?」
「そうなんです。結構な田舎なんですけど、まぁ、ご近所さん同士仲がいいので、楽しくやってくれてると思います!」
「そっか」
「安物の食材ばかりですが、味付けには自信あります!」
「ふぅん」
何年ぶりかな。こうして、人と食事するのは。
「ヒカルさんは、何学部ですか? 何回生ですか?」
「ねぇ、泉ちゃん」
「はいっ?」
こてんと首をかしげる泉ちゃんを見ていると、もっと可愛がりたくて仕方なくなる。
「今夜、一緒に寝ようか」
「……へ!?」
慌てた泉ちゃんが、ゴホゴホと咳き込む。
反応、面白すぎるよ泉ちゃん。
「うそうそ」
「も、もう。ビックリしました!」
本気で驚いてる。いじり甲斐、ありすぎだってば。
そんなことを考えながら、みそ汁をすする。
「……美味しい。良いお嫁さんになるね、泉ちゃんは」