アフタースクールラヴストーリー

スマホのアラームにセットした曲が流れ、私は目を覚ます。
好きな曲のはずなのに、今日はどこか鬱陶しく鳴り響いているように聞こえた。
体中に汗が纏わりついてとても気持ち悪い。
アラームを止め、私はベッドから起き上がる。
同時に、凄まじい勢いで私の身体を脱力感が襲った。

「そっか。私昨日、先生に告白して振られたんだっけ……」

寝起きでそれほど頭は回っていないはずなのに、その記憶だけは鮮明残っていて、恐ろしいくらい冷静に思い出すことができた。

そう、私は昨日好きな人に告白した。
そして振られた。

たったそれだけ。言葉にすればこんなにも短い。
でもそれは、私の中の何かが大きく弾けたような、爆発したかのような出来事だった。
胸の奥に溜まった何かを外に出してすっきりしたような、空っぽになった心の奥に再び何かが入ってきたような、不思議な感覚。
今自分がどんな状態なのか、よく分からない。

「学校行かなくちゃ」

私は自分のすべきごく当たり前のことを呟き、支度を始める。
朝食を済ませ、シャワーを浴びて汗を流す。
それから制服を着て、鞄を持って家を出る。

今日久田先生と会ったら、どういう顔をすればいいのだろう。
私は先生に振られた後も諦めきれず、縋りつくように自分を一人の女性として見てほしいと言った。
先生は何も言えなくなってしまったけど、今考えれば私は何を言っているのだという話だ。
自分が生徒じゃなかったらなんて、一体何を期待しているのか。
そう聞けば良い返事が返ってくるかもしれないとでも思っていたのか。

「馬鹿だなあ……、私」

学校へ向かう足取りは、重くなるばかりだ。
けれど、この後そんな悩みは全て吹き飛ばされてしまう。
< 102 / 137 >

この作品をシェア

pagetop