アフタースクールラヴストーリー

なんと、副崎の父親は副崎を強く抱きしめたのだ。
僕を含めた周りの先生達は言葉を失い、副崎も呆然としている。

「お前までいなくなったら、私は何のために生きればいいのだ……」

あまりに純粋な言葉だった。
ずっと仕舞い込んでいた気持ちを吐露するかのような、そんな言い方だった。

「お父さん……」

副崎の目から一滴の雫が流れる。

「私、私……」
「悪かったな、こんな父親で……。お前のことをしっかりと見ていてやれなくて……」

副崎が、これまでで一番大きな声を上げて泣く。
人目も憚らず、喉が焼けてしまうのではないかと思うくらいの声で。
父親はその間何も言わず、ただただ娘を抱きしめ続けていた。

< 126 / 137 >

この作品をシェア

pagetop