アフタースクールラヴストーリー

放課後、僕は朝に話していた通り、林先生と共に生徒会の活動風景を見学する。
一階にある生徒会室に行く間、林先生は全高の生徒会について説明してくれた。

「今の生徒会は生徒会長、副会長、会計、書記の四人で回しています。私が顔を出さなくても、大抵は自分達で進められるくらい四人とも優秀なので、ほとんど手がかかりません」
「それは頼もしいですね。けどそれなら、生徒会顧問って具体的に何をすれば良いんですか?」
「一番重要なのは予算の管理ですね。他には生徒の作成した資料のチェック等でしょうか。行事があったり生徒会で備品が必要になったりすると、買い出しのために車を出すこともあります。久田先生はお車をお持ちでしたっけ?」
「はい、持っていますよ」
「じゃあ良かったです。あ、着きました。ここが生徒会室です」

林先生がドアをノックすると、「どうぞ」という声が聞こえてくる。中に入ると、生徒会長の副崎を含めた四人の生徒が、何やら話し合いをしている最中だった。

「林先生こんにちは……って、ひ、久田先生! どうして一緒なんですか⁉」

副崎は机に座っていたが、僕を見てびっくりしながら立ち上がる。

「美奈、落ち着いて。来月から私が産休に入ることは、前から話していたよね。その後任として、久田先生に顧問に就いてもらうことになりました。そのため今日から約一か月、久田先生の手が空いている時は生徒会室に顔を出しもらって、生徒会の活動の様子を把握していただきます」
「久田翔一郎です。一年二組の副担任で、授業は三年生の政治・経済を担当しています。よろしくお願いします。」

僕は生徒会のメンバーに向けて自己紹介をし、軽く会釈をする。

「そうなんですか……。よ、よろしく……お願いします」

副崎が戸惑いながらも一礼すると、それに続いて三人も「お願いします」と言って頭を下げる。


< 27 / 137 >

この作品をシェア

pagetop