アフタースクールラヴストーリー
「では折角なので、一人ずつ久田先生に自己紹介しようか。美奈からどうぞ」
「え、私からですか……?」
「うん。どうかした?」
おろおろする副崎を見て、林先生は首を傾げる。
「い、いやあ……。私はもう久田先生と関わりがありますし、改めて自己紹介をする必要はないんじゃないかなって……」
「ああ、そっか。なら仁、お願い」
自分の番がなくなり、ほっとした様子で座り直す副﨑。
昨日の出来事が僕の脳裏に浮かぶが、ここは他のメンバーの自己紹介に耳を傾ける。
「三年六組の石動仁(いするぎじん)です。副会長をやっています」
一七〇センチあるかないか程の背丈で、やや細身の体型をしている石動。落ち着きのある佇まいから、他の高校三年生の男子よりも大人びて見える。
「二年四組の平沢慎二(ひらさわしんじ)です。会計です」
平沢はくせ毛が特徴的で、黒縁の眼鏡をかけている。
話し方はとてもはきはきとしていて、明朗快活なところは副崎と似た雰囲気がある。
「書記を務める、二年二組の斎藤悠実(さいとうゆみ)です」
穏やかな話し方の斎藤は、真面目そうな子だ。
身長は副崎より高く、女子高生としては平均的といったところだろうか。
三人がそれぞれ自己紹介を終え、自分の席に座る。
「三人ともありがとう。それではさっきの話し合いの続きをしてもらえるかな。私達は様子を見ているから」
「はい」
四人はホワイトボードを使い、改めて話し合いを開始した。