アフタースクールラヴストーリー
午後の部もなんだかんだ流れ良く球技大会は進む。
僕は一年二組の男子バレーが決勝に残ったというので、一時本部を離れて決勝戦を見に行くことにした。
「あ、友田先生」
バレーの試合が行われている体育館に入ると、既にメンバーはコートの中で試合開始を待っていた。
友田先生を含めた一組のクラスメイトも応援に来ている。
「久田先生、ちょうどいいところに。もうすぐ試合が始まりますよ」
友田先生に言われ、僕もクラスの輪に加わる。
相手チームは三年生。
しかも御手洗先生のクラスだ。
まさか決勝で当たるとは思わなかったが、ここまで来たら相手にとって不足なしだ。
試合開始の笛が吹かれ、相手チームがファーストサーブを放つ。
決勝戦まで勝ち進んだだけはあり、一年生といえども必死に三年生に食らいつく。緊迫した試合展開に、僕も先生という立場を忘れ大きな声で声援を送る。
「一年二組ファイトー!」
果たして結果は――。
一セット目こそ何とか奪ったもの、残りの二セットを取られ逆転負け。
三年生を相手に善戦したが悔しい結果となってしまった。
しかし、久しぶりにスポーツを見て熱くなった。
学生の頃に戻った気分だ。
興奮冷めやらぬ表情で本部に戻ると、球技大会が佳境に入ったこともあり緊迫した雰囲気が漂っていた。
バレーの決勝は他の競技より時間が早かったため抜け出すことができたが、ここからは僕も有事に備えて待機していなければならない。
だが流石はうちの生徒会。
大きなトラブルもなく円滑に進めていく。
幸いにも誰かがひどい怪我をしたという知らせもなく、非常に順調だ。
……そう僕には見えていた。
ところがそれは外に映る姿だけに気を取られ、内に潜む危機を見逃していただけだった……。