アフタースクールラヴストーリー
「何だよ」
面倒くさそうにこちらを見つめる優君。
でもこれだけはしっかりと伝えておきたい。
「私も、自分が久田先生を好きなこと、おかしいだなんて思わない」
「お、おう。なんで今更そんなこと言うんだよ」
「私ね、ここで優君に何を言われても、この思いを伝えるつもりだった。それだけ私の気持ちは本気だってことを知ってほしかったの」
真剣な眼差しで、私ははっきりと言葉にする。
「ふう……」
優君は息を吐きながら、一度天を仰ぐ。
「そうかい。ま、精々頑張れ」
「うん」
私は軽く笑みを浮かべて頷き、屋上を出ようとする優君の後ろについていく。
二人の間に流れる空気は、気がつくとすっかり元通りになっていた。
「それでも俺は、お前を諦めないから」
出口の前で優君が何か呟く。
「何か言った?」
私の声が聞こえなかったのか、優君は何も言わずにドアを開ける。
特に気にすることでもないと思った私は、聞き直すことはしなかった。
その一言が私にとっても、大きな意味を持つものとは知らずに……。
私達が校舎内に入ると同時に、大粒の雨が降り出した。