アフタースクールラヴストーリー
土曜日の午後。
僕は補習を終えて自分の車に乗り込む。
エンジンをかけ、生徒会のメンバーと決めた待ち合わせの駅へと向かった。
駅に着くと既に四人とも集合し、残るは僕を待つだけという状態だった。
「あ、先生こんにちは」
「お待たせ。ごめんね、遅くなっちゃって」
「いえ、大丈夫ですよ」
最初に声を掛けてきた副崎が笑顔で言った。
僕は彼女達四人の姿を一人ずつ確認する。
「ああ……」
「どうしました?」
「いや、皆の私服姿を見るのは初めてだから、新鮮だなと思って」
「い、いきなりどうしたんですか⁉」
「素直にそう思っただけだよ」
「へ、変じゃないですか……?」
恥ずかしそうに、小声で尋ねる副﨑。
そんな副崎の服装は、上はスカイブルーのブラウスを着て、下には紺色のスカートを穿いている。
「全然変じゃいないよ。似合っているんじゃないかな」
「ほ、ほんとですか⁉」
余程嬉しかったのか、今度は大きな声を聞き直す副﨑。
その自分の声の大きさに気がつき、自分の手で口を塞ぐ。
「ちょっと子どもっぽさは残るけどね」
「うう……、皆に同じこと言われるんですけど」
しょげる副崎を見て、他のメンバーが後ろで忍び笑いをしている。
「お約束も終わったことだし、行きましょう」
副会長の石動が言う。
彼は白黒のボーダーシャツの上にネイビーのジャケット、白のスキニーパンツという服装をしていて、副崎とは反対に大人びた感じが出ている。
「皆ひどい!」
むくれた顔で石動達に言う副崎。
「はいはい。久田先生、お願いします」
「わ、分かった。じゃあ適当に乗ってくれ。」
普段からこんなふうなのかと驚きつつ、自分の車にメンバーを乗せる。
そうして、近くのショッピングモールへと車を走らせ始めた。