アフタースクールラヴストーリー
「ふう、こんなもんですかね」
会計の平沢が席に腰を下ろす。
モール内を一周し一通り備品を買い揃えたところで、僕達はカフェで休憩することにした。
「後は、プリンターのインクが切れかかっていたから補充しないと」
書記の斎藤が買い出しリストを確かめる。
「そういえばそうだったな」
「リストを見る限りではそれで終わりです。美奈先輩、他にいるものありましたっけ?」
「そのリストにある物が全部だよ」
「ってことはインクだけだな。なら今から俺が買って来るよ」
「え、じゃあ私も行くよ」
石動が席を立つのを見て、副崎も一緒に行こうとする。
「わざわざ先輩達が行かなくても、僕らが行きますよ」
「いいって。気にするな」
平沢が代わろうとしたが、石動は笑って制する。
「そうだよ。二年生は休んでいて」
「……分かりました。ありがとうございます」
「じゃあさっさと行ってくるわ」
二人はカフェを出てインク売り場に歩いていく。
彼らがいない間、僕ら三人は話しながら待っていた。
「二人はさ、次の生徒会について何か考えているの?」
「学園祭が終わった後ですか?」
「うん」
僕の質問を聞いた斎藤が、隣に座っていた平沢の顔を見る。
二人はお互いに顔を合わせて頷くと、平沢がこちらを向いて答えた。
「僕ら二人とも、続けるつもりでいます」
「おお、そうなのか。それは頼もしい」
「頼もしいだなんて、僕なんかまだまだですよ。それで一応、僕が会長に立候補するつもりです」
恐縮した様子で言う平沢。
「平沢がこう言っているので、私も続けます。この人が生徒会長じゃ頼りないですし」
平沢の顔を見ながら、斎藤は笑う。
「そんな言い方しなくても……」
斎藤の言葉に、平沢はちょっとだけ拗ねてしまったようだ。
僕はそのやりとりを見て顔が綻ぶ。