アフタースクールラヴストーリー
「ど、どうしたの?」
「あの時のことなら、私はもう気にしていませんから」
「あ……」
「あの頃の私、どうかしていました。あそこで私の気持ちを伝えたところで、先生を困らせるだけだって、考えれば分かったはずなのに……」
呉葉は、へその辺りで両手を組んで遠くを見つめる。
「
「だから、先生が何も言わずにいなくなったことを逃げたと思ったり、恨んだりはしていません」
彼女は僕に優しく微笑む。
「呉葉……。僕は、君に本当に申し訳ないことをした……。ごめん……」
こんな形で呉葉に謝っても、何の罪滅ぼしにもならない。
けれど、彼女の言葉を聞いて、謝らないわけにはいかなった。
「そんなに謝らないで下さい。なんか、謝られると悲しくなっちゃうので。これでも私、高校卒業してから変われたと思っているんです。い、一応、今日も彼氏と来ていますし……」
赤い顔で恥じらいしながら彼女は言う。
その姿はまさに、純粋に大切な人を想う、恋する乙女だった。
「そっか……。よかったな。お幸せに」
「へへへ、ありがとうございます」
彼女はあどけなさ一杯の笑顔を浮かべる。
するとその後方に、ショー会場から戻ってくる副崎の姿が見えた。
僕の目の動きに気付いたのか、呉葉は後ろを振り向く。