鈍色、のちに天色
「こらー、三上くん! そんなしつこく上野さんに絡まないのっ」
「えー」
「えー、じゃない! 上野さん、困っちゃうでしょ」
「えー……はーい」
あっちゃん先生、気づいてたんだね。
助かった、ありがとう。
これでもう絡まれずに……
「なあなあ、栗好き?」
話しかけてくるんかい。
今、はーいって返事してたよね?
しかもまだ栗の話?
高校生が栗の話だなんて、謎すぎるでしょ!
うん、謎すぎる。この人。
”変な人”
それが彼の第一印象だった。