鈍色、のちに天色




休み時間になると、覚悟はしてたけどクラスの子が集まってきた。



……めんどくさい。

車椅子のこと問い詰められるよね、きっと。




「ねえねえ、どこから来たの?」


「めっちゃ美人さんだよね〜彼氏とかいる?」


「わぁ〜お肌白いしキレイ!」




あ、れ……?

何も聞かれない……?



あたし、普通の転校生として扱われてるの?



てっきり車椅子の話が出ると思ってた。



キョトン、としていたら三上くんと目が合った。




「ここ、バリアフリーの学校だから、変な扱いするやついねーよ?」




……え、ちょっと。

心読めるの、あなた。



でも、そっか。

あたしみたいな人が通いやすいための学校なんだもん。



三上くんの言う通り、変な扱いする人なんて、いないか。



そう思うと、心が軽くなったようにホッとした。



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