鈍色、のちに天色
今日は土曜日。
月に1度、定期検診に行く日。
準備を整えたあたしは、家を出た。
風が強く、ゴウゴウと音を立てている。
乱れる髪を耳にかけ、車椅子を押した。
病院に着くとさっそく定期検診が行われ、診察室に通された。
待ち構える先生。
いつも通り、「大丈夫、異常はないよ」と言って微笑んだ。
でも気になったのは、先生がチラチラと手に持つ紙を見ているということ。
なんだろう? その紙は。
本当に何も、異常はなかったの?
少しばかり不安が募る。
何か迷っていた先生だったけど、あたしの目を真っ直ぐに見て、持っていた紙をあたしに手渡した。