鈍色、のちに天色
「なんかさー、上野って猫みたいだよな」
「……あたしはどちらかといえば犬派なんだけど」
「ぶはっ! そういう意味じゃないんだけどなー」
「あはは、楓南ちゃんって、天然?」
「可愛い〜」
笑い出すみんなと、その中心で首をかしげるあたし。
嫌な気はしなかった。
……いや、ダメだよ。この状況は。
普通の高校生みたい。
必要最低限、人と関わらないようにしようって決めたじゃない。
これ以上、大切な人を作っちゃダメだよ。
それに……
三上くんみたいなキラキラした人とは特に関わっちゃいけないよ。