鈍色、のちに天色
朋也のお葬式以来、朋也のお母さんと会うのは初めてだった。
というのも、朋也の両親は朋也が亡くなってから、県外に引っ越してしまったから。
あたしと朋也は幼なじみということもあって、もともとは家族ぐるみで仲が良かった。
でもあの日から避けられていたんだと思う。
だってあのとき、あんなに責められたんだもん……。
このときのあたしの顔は、引きつっていただろう。
どうすればいいのか困っていると、朋也のお母さんは持ってきた花束をお墓に置き、手を合わせた。
それを、あたしはただ見ていることしかできなかった。
立ち上がった朋也のお母さんを、見上げる。
「少し時間、いいかしら?」
「はい……」
自分でも笑っちゃうくらい、か弱い声で答えた。
墓地を出て、少し離れたところまで来た。
何を話されるのだろう……。
怖い。また何か言われたら、あたし耐えられるかな……?