鈍色、のちに天色




朋也のお葬式以来、朋也のお母さんと会うのは初めてだった。



というのも、朋也の両親は朋也が亡くなってから、県外に引っ越してしまったから。



あたしと朋也は幼なじみということもあって、もともとは家族ぐるみで仲が良かった。



でもあの日から避けられていたんだと思う。



だってあのとき、あんなに責められたんだもん……。




このときのあたしの顔は、引きつっていただろう。



どうすればいいのか困っていると、朋也のお母さんは持ってきた花束をお墓に置き、手を合わせた。



それを、あたしはただ見ていることしかできなかった。



立ち上がった朋也のお母さんを、見上げる。




「少し時間、いいかしら?」


「はい……」




自分でも笑っちゃうくらい、か弱い声で答えた。



墓地を出て、少し離れたところまで来た。



何を話されるのだろう……。


怖い。また何か言われたら、あたし耐えられるかな……?



< 150 / 226 >

この作品をシェア

pagetop