鈍色、のちに天色
そう言いつつも、完全な否定はできなかった。
きっかけは、朋也のお母さんに言われたからだった。
でもあたし自身そうしたほうがいいと思ったから。
あたしの意思で、足を使わなかったんだ。
「本当にごめんね……あのとき、朋也を失ったショックで我を失っていて。楓南ちゃんにいろんなものをぶつけてしまったの」
そんなの、当たり前だ。
最愛の1人息子をなくしたんだから。
その怒りや悲しみの矛先があたしに向くのも、当然。
朋也のお母さんも、今までつらい思いをしてきたのだろう。
しばらくの間、暗闇の中をさまよっていたに違いない。
そうさせてしまったのは、紛れもなくあたしだ。