鈍色、のちに天色




「あたし、全力で前に進んでいくねっ……朋也が守ってくれた、この命で……っ!」




決して無駄にしない。



後悔なんてしないくらい、全力で真っ直ぐ生きてやる。



だから朋也。

空の上から、見守っててね?





空を仰いだ。


清々しいくらい綺麗に澄み渡った青空。



────大好きでした。



心の中で、そっと呟く。



本当に、大好きだったよ。



あたしの初恋。

それは1番悲しい形で終わってしまったけど、幸せだった。



初恋のこの気持ちは、大切な思い出として心の奥にしまっておくね。



一生、忘れません。





墓地を出るとそこには、朋也のお母さんがまだいてくれた。



心配してくれてたのかな?



でも大丈夫。

しっかりケジメをつけることができたから。



あたしはすっきりとした笑顔を見せた。



安心したように笑う朋也のお母さん。



朋也が笑顔で見守ってくれている気がした。





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