鈍色、のちに天色
「ずっとずっと、陽希に助けられてきたんだもん。すっごく感謝してるの。……本当に、ありがと」
感謝の言葉を口にすると、陽希はニッと笑ってピースサインをした。
あたし、こんなに想われていたんだね。
長い間、ずっと。
あの事故があってよかったなんて思ったことは1度もない。
でも、あの事故がなければ、きっと気づかなかっただろう。
「これからも、支えてやるからなっ」
違う、そうじゃない。
支えてもらうばかりなんて、イヤだ。
助け合える関係になりたいの。
「……バカヤロー!」
「へっ?」
「陽希は、もっとあたしを頼ってよ! あたしじゃ頼りないかもしれないけど……それでも、陽希のためなら一生懸命になるから、だから!
支えられるんじゃなくて、支え合いたいの……!」
「楓南……」
「守られるのはもうイヤ!……陽希と、肩を並べて歩きたい」
あたしの言葉を聞いた陽希は驚いたあと、少し照れくさそうに笑った。
「ほんと、楓南は真っ直ぐだな。……うん、そーだよな! そうしよう!」