鈍色、のちに天色

全部、あなたのおかげです。

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────1年後。




「あっ、楓南! おはよー」



「うん、おはよー!」



「ねえねえ、昨日のドラマ観た?」



「観た観た! すっごくキュンキュンしたよね〜」



「楓南〜っ! 数学の宿題見せてー」



「えー、しょうがないなぁ。はい」



「ありがとう! 神様女神様!」



「まったく、調子いいんだからー」




3年生になったあたしは、とても充実した生活を送っていた。



あたし自身も明るくなっていて、いろんな人と喋るようになった。



あの事故が起きる前みたいに……ううん、それ以上に友達に囲まれ、家族とは仲良く過ごしている。



そしてそして、あたしはリハビリの成果がしっかりと出ていた。



後遺障害が残っていて少し足を引きずるように歩いてしまう。



でもよく見ないとわからない程度だし、軽く走るくらいならできる。



正直リハビリはキツくて、何度か投げ出したいときがあった。



そうなる度、励ましてくれたのが周りのみんな。



そのおかげで成果を出すことができた。



前みたいに走るにはまだまだだけど、みんなと同じ高さで過ごせることが何より嬉しい。



それもこれも全部……




「楓南っ、おはよ」



「おはよー、陽希」




そう、陽希のおかげ。



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