鈍色、のちに天色




「はぁ〜疲れた」



「お疲れ。はい、水」



「おー、サンキュ」



「上野! こっちも手伝ってくれー!」



「はーい、今行く!」




歩けるようになった頃、あたしは陸上部のマネージャーに誘われた。



陽希からもそうだけど、他の部員の人も誘ってくれて、あたしはその話を受けた。



マネージャーの仕事だけじゃなくて、アドバイスとかも求められて、頼ってくれてすごく嬉しい。



ちゃんと、居場所ができたよ。



マネージャーとしてみんなの役に立てているのは嬉しいけど、やっぱりみんなと一緒に走る”選手”になりたいなぁ。



いつかそれが叶いますように。



休憩が終わり再び走り出す陽希を見て、そう願った。



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