鈍色、のちに天色









数日後、朝。



いつも通り騒がしい教室。


女子は話に盛り上がり、男子はふざけ合い大きく笑っている。



その男子の中に、まだ陽希はいなかった。




「陽希、遅くない?」



「ねー、いつも10分前には来てるのに」




友達とそんなことを話していた。



登校時間終わりの1分前になっても。



────キーンコーンカーンコーン。



HR始まりのチャイムが鳴っても、陽希は姿を見せなかった。




「あら、三上くんは来ていないみたいね。遅刻? それとも風邪かしら? 誰か知ってる?」




あっちゃん先生が教室内を見渡すけど、誰も答える人はいない。



あたしと陽希が仲良いことを知っているからだろう。


あっちゃん先生はあたしを見たけど、何も知らないあたしは首を振った。




「……誰も知らないの? じゃあ、あとで電話かけてみるわね。よし、HRはこれで終わり!」



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